マーケティング活動において、ユーザーの購買行動にどんな情報か理解しなければ、ターゲットには刺さりません。
そもそも、ターゲットが「なぜこの商品に決めたのか」というポイントを知っておかなければ販売戦略も的外れなものになってしまいます。いくらWeb広告に出稿しても売り上げにつながらず、広告費だけかかってしまうでしょう。
効果的な広告作成には「KBF」をしっかり理解が欠かせません。KBFはマーケティング分野でも非常に重要視している項目でもあり、KBFを踏まえた内容にするべきです。
しかし、ビジネスに関わっている人でも「KBGとは何か知らない」「どうすればKBFを知ることができるのかわからない」と考えている人も多いです。
そこで今回は、マーケティングにも重要な要素である「KBFの役割」や「KBFを見つける方法」について解説します。
KBFとは
KBF(Key Buying Factor)は購入決定要因とも呼ばれ、顧客が商品やサービスの購入を決める際に重要視する要素のことです。
簡単にいうと「商品やサービスを買うときに大切なポイント」です。
大抵の人は商品の「値段」「品質」「競合との比較」「ブランド」など考慮して購入を決定します。「ターゲットの購入するポイント」を販売する側が理解することがマーケティングの方向性を決める重要な指針になります。
KBFがわからないまま広告を使ってもターゲットに刺さらないため、売り上げにつながらず、広告費がかさんでしまいます。
LP作成におけるKBF
KBFはLP(ランディングページ)作成でも重要な項目です。
アピールする商品・サービスの特徴や競合との差別化点をKBFを考慮に入れて伝えなければ、ターゲットの興味を引けないからです。
ターゲットが重要としていない情報ばかり伝えられても興味を持たれず、ページから離脱されてしまいます。
KBFさえわかっていれば、LPを読み進めるほど引き込まれ購入や申し込みにつながるのです。
KBFの具体的な例
商品・サービスのKBFについて具体例を5つご紹介します。
同じ商品でもターゲットによってKBFが変わるため、訴求方法が変わってきます。
例えば「4:スマートフォン」では若い世代を例に挙げましたが、60代以降の高齢者にする場合は「見やすさ」「簡単な操作性」「手頃な値段設定」などがKBFになると言えます。
KBFとKSF
KBFに似たマーケティング用語に「KSF(成功のカギ:KeySuccess Factors)」があります。
KSF(Key Success Factors)は、ビジネスやプロジェクトの成功に重要な要因を指す用語です。
違いをまとめると以下のようになります。
商品やサービスを買うときに大切なポイント
例:値段、品質、競合との比較、ブランドの信頼性など
スマートフォンで例えると:
お店でスマホを買うときに値段が安いかどうかや、どんな機能があるか、他のメーカーと比べたときどうなのか、などを考えること
ビジネスやプロジェクトが成功するために必要な要素
例:市場のニーズを理解すること、競合他社との差別化を図ること、顧客満足度を高めることなど
スマートフォンで例えると:
スマートフォンを使って効果的に連絡を取るために必要な要素。連絡を取るために良い電波が届く場所にいることや、使いやすいアプリを選ぶこと、バッテリーの持ちが良いスマホを選ぶこと
KBFが消費者目線なら、KSFは事業者・生産者目線です。KBFとKSFには密接な関係があり、KBFを知って正しく理解・活用することが事業者側の成功につながります。
KBFを見つける4ステップ
では、具体的にKBFを見つける方法を4つのステップで解説します。
1:ターゲットを明確にする
まずは取り扱っている商品が欲しいと思っているのがどんな人かを明確にしましょう。
具体的には、
- 年齢・性別
- 生活地域
- 職業
- 家族構成
- 生活リズム
- 趣味・趣向
- 商品に関する知識量
などを決めて、ターゲットを絞ります。
2:商品・サービスの特徴を整理する
次に商品・サービスの特徴を改めて整理し、洗い出します。
例えば、商品が洗濯機の場合なら
- 値段
- サイズ
- 機能(洗浄力や操作の利便性)
- 使い心地(騒音や形状)
- ランニングコスト(電気代や水道代がどれだけかかるか)
などです。
競合なども参考にしながら改めて特徴を整理しましょう。
3:KBFとなる項目を整理する
ターゲットの性質と商品の特徴を組み合わせて「選ばれる理由」となりそうな項目を挙げてみましょう。同じ商品であってもターゲットが変わることで選ばれる理由は変わります。
多くの商品・サービスでは以下の項目がKBFとなりやすいです。
- 価格
- 性能・機能・サービス内容
- 実績
- 対応時間
- 第三者の声
- ブランド
- 注文の簡単さ
- アフターサービス
業界やサービスによって特有のKBFとなるものが違ってきます。
- セミナー:講師の経歴・参加の難易度(オンラインorオフラインなど)
- 食品関係:安全性、TPOに適しているか(プレゼントなどは外観の良さ。自分用ならばコスパなど)
- 宿泊:立地・宿の空き情報・設備・周辺環境
現代は数えきれないほどのサービスに囲まれ、たくさんの競合がいます。その中で「比較されるようなポイント」を明確にすれば訴求するポイントがわかり、差別化もしやすくなるのです。
4:商品の提供側とターゲットでKBFの認識に相違がないかチェック
自身の商品・サービスのKBFがある程度把握できたら販売者側とターゲット側でKBFの認識のズレがないか確認します。
商品やサービスを選ぶのはあくまでお客様です。販売する側としてのポジションだからこそ当たり前すぎてKBFとして認識できないケースもあります。
口コミやレビュー、アンケートや競合調査や市場分析で「ターゲットに求められているポイント」を精査しましょう。情報の偏りを防ぐために複数の経路を利用して幅広く集めるのがおすすめです。
KBFを見つける際の注意点
KBFを見つける際に気を付ける主なポイントは以下の3つです。
アンケートやレビューは「参考」程度に捉える
アンケートやレビュー、インタビューはKBFを見つける要素の一つではありますが、過信して良いものではありません。アンケートやインタビューは質問の仕方やタイミングによって偏りが生じる可能性があったり、レビューも全て正直に書いているわけではないからです。
あくまで参考程度にとどめ、他の手法と併用してKBFを深掘りしましょう。
定期的な見直しが必要
市場は新たなトレンドや技術の進化、社会的変化などで変動します。KBFも市場で変動する可能性があるので定期的な見直しが必要です。
例えば、最近のスマートフォンの普及により、携帯電話のKBFが変化しました。数年前までは通話やメールが中心でしたが、今ではカメラ性能やアプリの利便性などが重視されるようになっています。
一度KBFを決めたとしても定期的に見直しをしてその時代、状況にあったKBFにしましょう。
購買決定者が異なる場合がある
商品・サービスは購入する人と商品・サービスを使う人が違うケースがあります。異なる事例としてわかりやすいのが学習塾です。学習塾を選んだり申し込むのは親ですが、実際にサービスを受けるのは子供です。
他にもBtoBビジネスの場合、サービスを利用するのは現場の人ですが、購入するのは「自分と現場の人の間にいる業者」になる事もあります。
購入決定者とサービスを受ける人が違う場合には、両方を考慮してKBFを考えましょう。
KBFを理解すれば効果的なLPができる!
今回は効果的なLPを作成するのに不可欠な「KBF」を解説しました。
KBF(Key Buying Factor)はお客様が購入を決める際に重要視するポイントです。KBFを把握し、LPに取り入れることで訴求力の高い広告になります。
KBFを見つける4ステップは以下の通りです。
- ターゲットを明確にする
- 商品・サービスの特徴を整理する
- KBFとなる項目を整理する
- 商品の提供側とターゲットでKBFの認識に相違がないかチェック
KBFを最大限に活用し、商品やサービスの魅力をより多くの人に知ってもらえる広告作成をしましょう。
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